
- ミートショップ棚町 -
最後まで丁寧に 馬が好きだから
馬の買い付けから、生体販売、飼育、加工、小売販売まで、全てを行う馬のスペシャリスト棚町直樹さん。大衆向けの食べ物として、安くておいしい馬肉を提供したいと語る棚町さんに、これまでの経緯や仕事へのこだわりを聞きました。
スタートは突然に
祖父が畜産業を開始し、父親の代で馬に特化し、飼育を始めました。
転機は大学4年生の時。父親が脳梗塞を起こしました。大学まで進学したこともあり、就職しようと考えていたタイミング。しかし、もともと馬が好きで畜産業にも興味があったので、卒業すると同時に家業を継ぎました。
当時は、畜産業のみでした。家業を継いで5〜6年は順調でしたが、腸管出血性大腸菌(O157)による集団食中毒の事件が起こり、風評被害で馬刺しが全く売れなくなりました。このままではいけないと悩んだ末、自分で販売しようと決意し、始めたのが今のお店です。
買い付けから販売まで一環して
馬の買い付けから飼育、骨がついた状態の板肉の解体、販売までなんでもします。全ての工程を担える人は県内にも数人しかいません。馬が好きだからこそ、馬の命を大切に、敬意を込めて丁寧な仕事を心がけています。
こだわりは、与える餌と肥育期間です。餌は夏と冬で配合の量を変えカロリー調整をしています。良い餌を食べさせると、馬肉の味の濃さが全く違います。また、馬1頭1頭の状態に合わせ、出荷時期を調整し、時間をかけ育てます。肥育期間が長いほど肉が柔らかいですね。
多くの方に食べて欲しいですが、肥育から販売までの時間が長く、また夫婦2人でやっているため、大量販売が難しい。品質を落とさず、おいしいものを提供したいという思いで販売を制限させてもらうこともあります。
悩んだ時に助けてもらったのは地域の繋がり

これまで色々な課題がありましたが、地域の繋がりで助けてもらいました。周りの人や友達を大切にする。それを心がけています。そのため、忙しくても出来るだけ地域活動には積極的に参加したいと考えています。馬のことをたくさんの人に知って欲しいという思いで、農業まつりや小学校で、子どもの乗馬体験もやりました。
馬と共に育つ
子どものころから馬と共に育ちました。父親が馬を買い付けに行く時は、トラックに一緒に乗り、北海道まで行ったこともあります。刺激が多く、とても良い経験でした。
馬が好きだからこそ、買い付けた馬が乗馬に向いていると判断すれば、乗馬クラブに販売しています。現在、全国の乗馬クラブでたくさんの馬が活躍しています。食べるばかりではかわいそう。馬には出来るだけ長生きして欲しいですからね。
馬を眺めながらコーヒーが飲める場所を
今後の夢は、町内で馬を眺めながらコーヒーが飲める喫茶店を開くこと。馬は全然見飽きませんよ。好きだからでしょうか。馬と一緒にのんびりと過ごせる、そんな場所を作りたいです。
最後に
常に馬のことを第一に考えながら忙しい日々をおくる棚町さん。
「息抜きの瞬間はいつですか」という質問に対し、「やっぱり馬への餌やりかな」と笑顔で答える姿を見て、本当に馬が大好きなんだということが伝わってきました。
つながるコーナーとは?
町で暮らす人にスポットをあて、その人の魅力や生い立ちを紹介するコーナーです。
登場した方に、町で暮らす人を紹介してもらうことで、様々な方と「つながる」ことができます。