
- 華陽住建 棟梁 -
多くを語らない職人が語ること
大工になって50年になる堀江さんに仕事だけでなく、多方面で活躍する子どもさんへの思いも伺いました。
15歳で大工の師匠に弟子入り
大刀洗出身で、夜間高校に入学しました。職人に憧れて入学と同時に師匠に弟子入り。修行しながら高校に通っていました。その後、大工の兄のもとで働き、30歳で独立しました。
長く住んでほしいとの思いで家を建てる
木造の和風住宅を建てることが多く、新築で建てたお客さんとはリフォームやアフターケアで長いお付き合いをしています。
新築の家は建てるのに約10か月かかります。使用する木材は、建設作業を進めるなかで反ったり、収縮したり変化するものです。木材の変化をみて、それを調整しながら建てていくので、それだけの時間がかかります。
子どもたちには自分の好きな道を歩んでほしい
子どもは息子が3人います。建設会社経営、宮大工そして飲食店経営などそれぞれの道を進んでいますね。
子育てにおいては子どもには自由奔放に育ってほしい、自分の力で生きていけるようになってほしいと思っていました。
失敗しても手を貸したりはしなかったですね。失敗の経験をして自分で学びとってほしいと思っていました。
家での口数は少なく、子どもたちからはしゃべらない父親だと思われているでしょう。静かで厳しいように見えるかもしれないけど、やっぱり子どもってかわいいんですよね。
宮大工になるという夢を叶えた息子
次男は宮大工をしています。その夢を聞いたのは次男が高校生のときでした。ちょっとしたけんかから、息子と1年間口をきかなかった。その間に建築に興味を持つようになったようで、「宮大工になりたい」と話す息子に驚いたのを覚えています。
大工と宮大工とでは修行の仕方も違います。高校を卒業し、京都に修行に送り出すときには、大変な道が待っているだろうと心が痛くなったものです。見えないところで、挫折も経験したと思います。
今は金閣寺等の歴史的建造物の修復に棟梁として携わるほどの宮大工に。建築や歴史に関わる勉強や修行を重ねてきたと思います。同じ職人として刺激になるし、父親として誇らしいです。
作業場が落ち着く場所
私は仕事を家に持ち帰らないタイプ。一日の大半を過ごす自分の作業場は安心感を抱きながらも、時には思い悩む場でもあります。 一人で行動することや趣味に没頭する私ですが、仕事は信頼できる仲間と一緒に進めていくことが好きですね。
最後に

後日、「墨付」という作業をする堀江さんのもとを訪問しました。墨付は木材を寸法のとおりに切り込むために、木材に墨で印をつける昔ながらの作業のことだそうです。
製材された木材が積まれた作業場は木の香りで満ちていました。この場所で堀江さんは時には一人、時には仲間と仕事に向かい、時を刻んでいます。黙々とひたむきに向き合う堀江さんの姿勢は、子どもさんにも引き継がれていくのだろうと思いました。
つながるコーナーとは?
町で暮らす人にスポットをあて、その人の魅力や生い立ちを紹介するコーナーです。
登場した方に、町で暮らす人を紹介してもらうことで、様々な方と「つながる」ことができます。