渡邊 三重子さん(北鵜木)人と猫がつなげてくれたお店
今回は自宅の隣で手作りシフォンケーキ店を営んでいる渡邊さんに、開店前に起きた地域猫との出会いや、お店のこだわりについてインタビューをしました。
みなさんの声から生まれたお店
私は北野町出身で、結婚を機に大刀洗町へ移り住みました。幼い頃から祖母が大好きで、将来は高齢者の方と関わりのある介護士になりたいと考えていました。専門学校で介護福祉士の資格を取得し、介護士として病院で10年間勤務しました。
その後、子育てを機に一度退職しましたが、子育てが落ち着き、再び介護士として高齢者施設で働くことが決まりました。もともと料理やお菓子作りが大好きで、作ったものを人に振る舞うことが大好きだったため、職場の行事では、「おやつ係」として利用者の方々と一緒に手作りのお菓子を作っていました。すると、「お店を出したら良いよ」といった言葉を多くいただくようになり、お店を開くことを考えるようになりました。また、家族の後押しもあって、思い切って介護士を辞め、お店の開店に向けて動き出しました。当時、開業について何も知識のなかった私でしたが、たくさんの方からアドバイスをもらったり、開店までの準備を手伝っていただいたおかげで、素敵なお店を完成させることができました。
奥が深いシフォンケーキ作り
シフォンケーキ作りを始めたきっかけは、友人の手作りシフォンケーキを食べたことでした。ふんわりとした形の美しさに惹かれ、私も作ってみようと挑戦しましたが、想像以上に難しく、思うように膨らみませんでした。試行錯誤を重ねるうちに、シフォンケーキ作りの奥深さに魅了されていきました。ケーキを作るたびに友人が何度も味見をしてくれたおかげで、現在の味にたどり着くことができました。
お店のこだわり
屋号の「~お菓子工房~CoCo」には、「ここだよ」と場所を指す意味もあり、「ここ」をアルファベットにすることで丸い印象になり、優しく温かいお店になるようにと願いを込めました。
お店のシフォンケーキは、小さいお子さんから高齢者の方まで幅広い年代の方に食べてもらえるように、油や卵、小麦粉は国産のものを使用し、できる限り添加物を使用しないことを心がけています。また、デコレーションケーキを作るときは、食べる人を想像しながら、オリジナルのデコレーションを考えています。
開店準備中に出会った一匹の猫
長女が学校帰りに、身体にテープを貼られた猫を見つけて、家族で助けたことがありました。しばらく経って、一匹の猫がよく家に遊びに来るようになり、後日、猫のボランティア活動をされている方と話すうちに、その猫が「地域猫」で以前家族で助けた猫だったことが判明しました。
その猫はお店の開店準備中、ずっと見守ってくれていましたが、開店を迎える前に交通事故に遭い亡くなってしまいました。供養の際に、住職の方にお店の開店のことを伝えたところ、開店日は10月22日が良いと助言をいただきました。猫の鳴き声である「ニャンニャン」の語呂合わせから、令和4年(2022年)10月22日に開店することを決断。家でも猫を飼っていることや地域猫との縁を感じ、お店のロゴマークにも猫を取り入れています。
おわりに
いつもやりたいことを応援してくれる夫やお手伝いをしてくれる娘たち、そしてお店を開業してからも支え続けてくれる周りの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。これからも、皆さんの支えに感謝しながら、一つひとつ心を込めてシフォンケーキを焼き続けていきます。

お店のロゴマーク

左から、飼い猫のちゃちゃくん、こてつくん
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